父が82歳で脳梗塞を発症した時の話を思い出してみる。
一人で暮らす父は、当時、要介護1。
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その時すでに短期記憶の定着が難しく、電話した後、受話器を置くと、誰と話していたかを覚えてないほど。どうやら本人も、すぐに忘れてしまうことを人に悟られるのが嫌なようで、その場ではうまく話しを合わそうとしてしまう。そのため、あいさつ程度のお付き合いの人には、認知症だと気が付かれないほど。 ある日、ワタシと電話をしていると、最初はいつも通りに話せるのだけど、だんだんと尻すぼみになるというか、ごにょごにょと終わる話し方で、最後が全く聞き取れない。日本語は最後の言葉が肝心なのに、それが聞き取れない。
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いるのか、いないのか 全くわからない。 おかしいな?と思ったので、当時のケアマネさんに連絡してみた。すぐにヘルパーさんが入る時間に様子を確認してもらうけれど、こんな調子でごにょごにょ言うこともあるから、気にする必要ないとのことだったので、ひとまず落ち着いて、5日後に実家に行くときに、様子を見てくることにした。
おかしいな?と思った父の症状
5日後に実家へ行き、父の様子を見ると、
- 話しているけれど、語尾が聞き取れない
- お水を飲むと、片側の口から水が流れて出てしまう
- 言いたいことが伝わりづらく、かなり怒りっぽい
これはやっぱりおかしいぞ? すぐに総合病院へ電話をし、いつも受診している内科の看護師さんへ繋いでもらう。
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すごく頼もしい強い言葉で、やっとちゃんと診てくれるんだ!とホッとしました。 ケアマネさんもヘルパーさんも、あまり深刻にとらえておらず、脳血管系の病気は迅速な対応が大切なはずだけど、病院受診へも勧められなかったので、本当のところ、とても心配でした。 すぐにMRIを緊急で撮影してもらい、脳外科の先生に画像を診てもらったところ、
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1ヵ月の入院とリハビリ後の父の様子
ということで、1ヵ月の入院とリハビリで、退院することが出来ました。 このまま点滴を続けても、良くなるわけでもなく、現状のまま頑張って過ごしてくださいということでした。父が入院中は、他の人と関わることはなく、食事は運んでくれるけれど、声掛けをしてくれるわけでもない。リハビリ以外は、ベッドの上でずーーーっと寝て過ごしていたようです。 会話もなく、普段の生活の刺激もないので、どんどん認知症が進んでしまいました。きちんとした医療の提供はあるけれど、介護は別なんだなーとよくわかった出来事でした。
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というわけで、元通りの一人暮らしに戻るわけですが、気楽に暮らすと言えども、やはりお助けが必要な場面も増えてきて、どんどんとヘルパーさんの時間を増やしていきました。