父81歳で運転免許返納!自主返納するまでの軌跡と奇跡。

離れて暮らす父の介護

現在85歳の父は、81歳で免許を返納。

当時の父は、79歳で発症した硬膜下血腫と、高齢にともなう認知機能の衰えが顕著になり、車もよくぶつけていた。車両保険もかなりの頻度で使用していることが判明し、更新時の保険料も高額だったよう。かなり危険。

 

父は自家用車が無いと生活が難しい田舎町に暮らしているので、免許返納をお願いしても、あまりいい顔をせず…。

「そのうち…いつかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし認知機能の衰えが目立つ出来事が続くと、なんとか説得をして返納しないと、事故を起こして取返しがつかない晩年になったら大変なことになる。

 

そうは言っても、ワタシがいくら悩んでも、手放す決断をするのは父であり、家族は辛抱強く説得するしかない。
そして車に代わる代替案を用意しないと、父の生活が不便になってしまう。

 

3つの代替案を考えてみた。

車を利用するのは主に、食事の買い物と銭湯通い、そして足の代わり

1. 銭湯の代替案
介護申請中だったので介護サービスが受けられるようになったら、デイサービスでお風呂に入れるようにプランを組んでもらう。
2. 食事に関して
週1回、ワタシが日持ちのする食材を買い込み、冷蔵庫に入れる。その他お菓子なども買いだめして、置いておく。晩御飯は配食弁当を手配し、毎日宅配してもらうようにする。
3. 車に代わる足として
当時は自転車に乗れたので、自転車を使ってもらうことにした。現在は安全のため電動三輪車を準備した。

 



さて、あとは父が本当に免許返納に納得するのかが問題。
これが本当に大変だった。何度対話しても、生活が不便になってしまうことが心配ということと、体力の衰えがあり歩いて買い物へ行くことが負担となるので、どうしても車が必要だという結論になってしまう。認知機能の衰えについては、断固として本人が認めようとしないまだまだ自分はイケる!ここが大問題。

 

代替案は固まっているけど、車が家にあれば乗ってしまうし、でも勝手に処分するわけにもいかないし・・・。

 

1つめの奇跡がやってきた

 

ワタシが一人で悩んでいたところ、なんと、交通違反により、3か月の免停通知が届いたのだー。

 

これは大変な好機で、父に説明する際に、「警察が免許証を取り上げてしまい、高齢の父にはもう免許が戻ることはない」という説明をすることで、運転をあきらめてもらう作戦を進めることにしました。

 

ワタシも、所轄の警察署と、運転免許センターへ何度か相談してみました。

 

しかし・・・警察も免許センターからも、同じ説明をされました。
「いくら高齢であっても、免許更新時の認知機能検査をパスされているのだから、本人の意思で免許を返納する「自主返納」を尊重し、推奨するしかありません。ご家族が、ご本人さんに自主返納を納得させてください」

まぁ、至極当然のお返事です。

 

ワタシ
ワタシ

認知機能検査とは?

説明さん
説明さん@LooseDrawing

認知機能検査とは、記憶力や判断力を測定する検査で、運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーが、受けなければならないテストです。手がかり再生及び時間の見当識という2つの検査項目について、検査用紙に記入、又はソフトウェアが搭載されたタブレットに受検者がタッチペンで入力して行うものです。

説明はこちらへ(参考:警察庁サイト 認知機能検査について)

 

2つめの奇跡がやってきた

父は、免停執行の直前、遠く離れた目的地へ向かおうとしたところ、高速道路の入り口がわからず、ずーーっと一般道を走行していたという。自分がどこに向かって車を走らせているのか、わからなくなったということ。これがもう認知症だわ。怖い。

そして一般道走っている途中で突然、車が故障して動かなくなったというのです。奇跡!!

その時は自分でなんとかロードサービスに連絡し、車を実家近くの修理工場へ持ち込む手配が出来たようです。

 

後日、修理工場から連絡があり、車の状態は修理が不可能なくらいオイル漏れがあり、これまで何度もぶつけて修理をしている車だから、廃車にしたほうがいいのではないか。父からは、新しい軽自動車を探してほしいと依頼されているから探しているけど、進めてもいいのかと確認がありました。

 

これまた好機がやってきた!もう廃車一択で、これを機に車を手放し免許返納へ突っ走ることとなりました
父がお世話になってきた修理工場さんは、50年の付き合いで、本当にお世話になりました。

 

これまでの一連の流れを聞いた認知症の診断書を出した医者からは、

「そんなことが起こるの?神さまの仕業としか思えない…」

認知症高齢者のよくある話は、免許を返納しても家に車があると無免許でも運転しちゃうんだよ。家族の説得も結構大変なんだけど、車が無いと乗れないから、良いタイミングだったね。

と、言っていました。

 

ワタシには、神さまが「運転はダメだよ、免許を返納しなさい」と父に告げているような、そんな気持ちになりました。

 

ということで、父に免許返納手続きを納得してもらった理由は

1. 車を新しく買うにもお金がかかる
2. 高齢ということと前年までの保険使用により、車両保険代が高くなる
3. 車がない生活の不便を代替案でカバーする
4. 3か月免停が明けた後も、高齢を理由に警察から免許を返してもらえないと思うよ?
(嘘も方便とばかりに当たらずとも遠からずな理由作って、オトンごめんね)

このように説得し、父は娘からの必死な様子を見て納得をしてくれ、無事に自主返納完了しました!!

 

3か月免停が終わったのを確認し、警察署へ出向き、運転経歴証明書を発行してもらう手続きをして、すべての自主返納手続きが終わりました。

 

ワタシ
ワタシ

自主返納と運転経歴証明書について詳しく説明して?

説明さん
説明さん

自主返納は、運転免許が不要になった方や、加齢に伴う身体機能の低下等のため運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーの方は、自主的に運転免許証を返納することができます。

 

運転経歴証明書は、見た目はほぼ運転免許証と同じデザインで、運転免許証を自主返納した方や運転免許証の更新を受けずに失効した方が交付できます。
※ただし、自主返納後5年以上又は運転免許失効後5年以上が経過している方や、交通違反等により免許取消しとなった方等は運転経歴証明書の交付を受けることができません。
※平成24年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用することができます。

より詳しい説明はこちら(参考:警察庁サイト 運転免許証の自主返納について)

 

自主返納した後には、電動自転車の購入を検討しました。

結局、転倒しないように電動三輪車を選びました。かごも大きいので、たくさん買い物しても荷物が載せられて、ふらつかないよ。

 

 

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